国際交流基金の事業として、2006年5月27日のジャワ中部沖地震被災地の子供たちのために慰問に来てくれたパフォーマーのご一行様は、18日にジョグジャ入りし、19日現地下見(この日は別事業として映画『スウィング・ガールズ』を2箇所で上映)、20日と21日でこどもプロジェクトの第3バンブー幼稚園(2006年11月22日記事参照)を含む4つの学校で公演とワークショップをし、今日23日ジョグジャカルタ→ジャカルタ経由で日本に向けて出発した。
今回の慰問団ご一行様は4人。手品師MAX渡辺、日本独楽博物館のこまのおっちゃん&おばちゃん(藤田夫妻)、そして日本初のヨーヨーマスター長谷川さん(ヨーヨーマスターTAKA)。皆様海外での公演を過去にたくさんこなしてきた人たち。確かに、どの芸も言葉がなくとも通じる芸だ。
(ご一行様の最年長、75歳の手品師MAX渡辺)
21日付『スケバン刑事の先生、ジャワ地震被災地を訪問』でも報告したので、バンブー幼稚園での話はおいといて、今回数日彼らと行動を共にしてわかった日本の芸能の素晴らしさをちょっと話しておきたい。
まずはなんといっても「独楽のおっちゃん&おばちゃん」。同じ趣味と芸をもって海外を回れるなんて、ステキな夫婦だなぁ~とフツーに感動した後、おっちゃんのガレた声と芸風のファンになった私。「イイ意味で」猿を彷彿させるおっちゃんの顔と声と動作は、文化も言葉も違うインドネシアの子供にもかなりウケていた。衣装は『必殺仕事人』のヒデさん(当時私が大好きだった三田村国彦が演ってたカンザシ屋)みたいな井出達。そしておばちゃんもいかにも「南京玉簾」やります風の衣装。顔から体形からすべてがバッチリ。
(2つの玉すだれで家を作るおばちゃん)
今回は舞台も、フツーの時も、彼らと一緒にいたのでよ~くわかったけれど、おっちゃんの独楽に対する真剣で真面目な情熱が常に感じられて、私一人で感動していた。どこの国に行っても、とにかくその国の独楽や遊び道具を探そうと一生懸命なおっちゃん。今回は自由時間もほとんどなかったので、結局本当のインドネシア伝統遊具は見つけることができなかったけれど、いつか私がふらふらインドネシアの田舎へでも遊びに行ったときに、おっちゃんの喜ぶような昔ながらの独楽が見つかったらいいなぁ・・・。
そして今回私がハマってしまったのはヨーヨー。今日は運転するときにハンドルもっても右手の平、中指の付け根のぷくっと盛り上がった部分が痛くて仕方なかった。これは勢いつけて投げたヨーヨーが戻ってくるのをキャッチして、同じ場所に何度も当たってたから。素人だからこうなる。うまく衝撃をゆるめて受ければ、こんなことにはならないらしい。さらに、今朝シャワーを浴びていて気づいたら、足にも青あざが・・・。必死で練習してるときに、そういえばぶつけてたわ・・・。
このTAKAさん、フツーに爽やかな青年なのに、ヨーヨー持たせるとムチャかっこいい。世界レベルのパフォーマーの顔になっている。独楽の夫婦と合わせて3人は、回す手わざという意味でも近いものがあるし、以前海外公演で一緒だったこともあり、食事中いつも真剣に技の話をしていた。
おっちゃんが魅力的なのは、真のエンターテイナーで、単に技を見せるだけじゃなくて、どうやって観客(子供を想定してるようだ)を喜ばせるかを考えているところ。南京玉簾も、単純な形が子供に自由に発想を誘うから好きだと言う。チョウチョに見えようが、旗に見えようが、それを子供の勝手にさせてやってる。
どの世界でも、プロ意識のある人はカッコイイ。特に彼らのやってることには、「創造」の部分が多いから私にも通じるものがある。そうそう、TAKAさんなんかは、世界で初めて2つのヨーヨーを一度に回すという技を生み出して、それに名前までついている。
(おっちゃんの芸で私が一番感動した扇子に乗って回る独楽)
今日、ご一行様が帰ってしまう前に、どうしても2日前に教わった技を自分のものにしたかったので、お別れをいうついでにホテルまで行って、ヨーヨーマスターから最後の指導を受けることができた。旅の疲れもあるだろうに、こんな大人の素人につきあってくれるマスターTAKAは本当にやさしい青年だけど、
「ヨーヨーのことだったら、僕は楽しいからいいんです」
と言った彼の言葉も本心なんだと思う。
彼のこの言葉は私に響いた。だって、私のいる世界でも同じだと思うから。「好き」ってことが一番大切、だから続けられるんだと、当たり前だけど思った。
(写真は師匠TAKAさん。ヨーヨーと一緒に撮影するときのポーズまで指導を受けた)
TAKAさんは子供の頃、南野陽子の「スケバン刑事」を見てヨーヨーを始めた。そして世界チャンピオンの座に2度も付き、昨年公開された「スケバン刑事」では演技指導や技作りなどに関わっている。子供のときに見た夢が、ここまで来てるんだからスゴイ。ちょっと違うかもしれないけれど、郷ひろみが好きで好きで、会いたいからって頑張って芸能界に入って、結婚までいきそうになった松田聖子みたいじゃん。これもすべて「好き」だからできることなんだろうなぁ~。。。
(最後の夜、食事会したレストランでジャワの宮廷ガムランに合わせてパフォーマンスを始めたTAKAさん)
今回はご一行様といて、「追及心」、「向上心」って言葉を久しぶりに思い出した。私が選んだ世界でもすごく大事なことだと思う。被災地の子供たちのためにジョグジャに来た慰問団に、私は個人的にかなり癒されたし励まされた。まっ、私んちも被災してて私だって被災者なんだからいいよな。これからもヨーヨーの技を磨くぞ~。




